Classifier チュートリアル (Ruby)¶
ここではRuby版のClassifierサンプルプログラムの解説をします。
ソースコード¶
このサンプルプログラムでは、学習アルゴリズム等の設定をするshogun.jsonとデータの学習及び学習データに基づく予測を行うshogun.rbを利用します。 以下にshogun.jsonとshogun.rbのソースコードを記載します。
shogun.json
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 | {
"method": "AROW",
"converter": {
"num_filter_types": {},
"num_filter_rules": [],
"string_filter_types": {},
"string_filter_rules": [],
"num_types": {},
"num_rules": [],
"string_types": {
"unigram": { "method": "ngram", "char_num": "1" }
},
"string_rules": [
{ "key": "*", "type": "unigram", "sample_weight": "bin", "global_weight": "bin" }
]
},
"parameter": {
"regularization_weight" : 1.0
}
}
|
shogun.rb
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 | #!/usr/bin/env ruby
# -*- coding: utf-8 -*-
$host = "127.0.0.1"
$port = 9199
$name = "test"
require 'json'
require 'jubatus/classifier/client'
def train(client)
# prepare training data
# predict the last ones (that are commented out)
train_data =
[
["徳川", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "家康")],
["徳川", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "秀忠")],
["徳川", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "家光")],
["徳川", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "家綱")],
["徳川", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "綱吉")],
["徳川", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "家宣")],
["徳川", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "家継")],
["徳川", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "吉宗")],
["徳川", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "家重")],
["徳川", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "家治")],
["徳川", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "家斉")],
["徳川", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "家慶")],
["徳川", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "家定")],
["徳川", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "家茂")],
# ["徳川", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "慶喜")],
["足利", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "尊氏")],
["足利", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "義詮")],
["足利", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "義満")],
["足利", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "義持")],
["足利", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "義量")],
["足利", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "義教")],
["足利", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "義勝")],
["足利", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "義政")],
["足利", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "義尚")],
["足利", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "義稙")],
["足利", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "義澄")],
["足利", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "義稙")],
["足利", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "義晴")],
["足利", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "義輝")],
["足利", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "義栄")],
# ["足利", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "義昭")],
["北条", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "時政")],
["北条", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "義時")],
["北条", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "泰時")],
["北条", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "経時")],
["北条", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "時頼")],
["北条", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "長時")],
["北条", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "政村")],
["北条", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "時宗")],
["北条", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "貞時")],
["北条", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "師時")],
["北条", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "宗宣")],
["北条", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "煕時")],
["北条", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "基時")],
["北条", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "高時")],
["北条", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "貞顕")],
# ["北条", Jubatus::Common::Datum.new("name" => "守時")],
]
# training data must be shuffled on online learning!
train_data.sort_by{rand}
# run train
client.train(train_data)
end
def predict(client)
# predict the last shogun
data =
[
Jubatus::Common::Datum.new("name" => "慶喜"),
Jubatus::Common::Datum.new("name" => "義昭"),
Jubatus::Common::Datum.new("name" => "守時"),
]
data.each { |d|
res = client.classify([d])
# get the predicted shogun name
puts res[0].max_by{ |x| x.score }.label + d.string_values[0][1]
}
end
# connect to the jubatus
client = Jubatus::Classifier::Client::Classifier.new($host, $port, $name)
# run example
train(client)
predict(client)
|
解説¶
shogun.json
設定は単体のJSONで与えられます。 JSONの各フィールドは以下の通りです。
- method
分類に使用するアルゴリズムを指定します。
今回は、AROW(Adaptive Regularization of Weight vectors)を指定しています。
- converter
特徴変換の設定を指定します。
サンプルでは、将軍の名が"家康"の場合、"家"と"康"に分割し、これらの文字(漢字)を含む名の姓は"徳川"であるというようなグループ分けをしたいので、"string_types"でunigramを定義しています。 また今回は、将軍の名を文字列データとして扱うので、数値型およびバイナリ型のフィルター及び特徴抽出器の設定はしていません。
- parameter
アルゴリズムに渡すパラメータを指定します。 methodに応じて渡すパラメータは異なります。
今回はmethodで"AROW"を指定していますので、「"regularization_weight" : 1.0」を指定します。 なお、各アルゴリズムのregularization_weightパラメータ(学習に対する感度パラメータ)はアルゴリズム中における役割が異なるため、アルゴリズム毎に適切な値は異なることに注意してください。 一般に、regularization_weightパラメータは大きくすると学習が早くなりますが、代わりにノイズに弱くなります。
shogun.rb
学習と予測の手順を説明します。
Classifierのクライアントプログラムは、 Jubatus::Classifier::Client::Classifierを利用して作成します。 使用するメソッドは、学習を行うtrainメソッドと、与えられたデータから予測を行うclassifyメソッドの2つです。
- Jubatus Serverへの接続設定
Jubatus Serverへの接続を行います(91行目)。
Jubatus ServerのIPアドレス,Jubatus ServerのRPCポート番号, タスクを識別するZookeeperクラスタ内でユニークな名前を設定します。
- 学習用データの準備
Jubatus Serverに学習させるデータを作成します。
ClassifierClientではArray<Array<String, Datum>>を作成し、ClassifierClientのtrainメソッドに与えることで、学習が行われます。 下図に、今回作成する学習データの構造を示します。
Array<Array<String, Datum>> label(String) Datum Array<Array<String, String>> Array<Array<String, Float>> Array<Array<String, String>> key(String) value(String) key(String) value(Float) key(String) value(String) "徳川" "name" "家康" "徳川" "name" "秀忠" "徳川" "name" "家光" "徳川" "name" "家綱" "足利" "name" "尊氏" "足利" "name" "義詮" "北条" "name" "時政" "北条" "name" "義時" Array<String, Datum>はDatumとそのlabelの組です。 サンプルでは、labelに将軍の姓を格納しています。
Datumとは、Jubatusで利用できるkey-valueデータ形式のことです。 特徴ベクトルに置き換えると、keyが特徴、valueが特徴量に相当します。 Datumには3種類のkey-valueが存在します。 1つはキーも値も文字列の文字列データ(string_values)です。 1つはキーは同様に文字列で、値は数値の数値データ(num_values)です。 もう1つは、キーは同様に文字列で、値は文字列のバイナリデータ(binary_values)です。
今回は、将軍の名から姓を当てるプログラムなので、string_valuesのkeyに文字列"name"、valueに歴代将軍の名を格納します。 今回のサンプルには含まれませんが、仮に"徳川"というグループに「徳川家の身長(height)は170cm以上である」という特徴を追加したい場合は、num_valuesのkeyに文字列"height"、valueに170を格納します。
このサンプルでの学習データ作成の手順は下記の流れで行います。
構造体train_dataの宣言で初期値として、上記の表どおりの構造で作成します。
labelに"徳川"、Datumのstring_valuesに"name"と"家康”というセットを名の数だけ作成します。 valueが文字列の場合は、string_valuesに値がセットされます。(15-66行目)。
- データの学習(学習モデルの更新)
2.の工程で作成した学習データを、trainメソッドに渡すことで学習が行われます(72行目)。
- 予測用データの準備
予測も学習時と同様に、Datumを作成します。
DatumのArrayをClassifierClientのclassifyメソッドに与えることで、予測が行われます。 「nameが"慶喜"」の将軍の姓は何かを予測させるため、学習時と同様に構造体dataの宣言で初期値として、Datumのstring_valuesに"name"と"慶喜"を設定します(77-82行目)。
- 学習データに基づく予測
4. で作成したDatumのArrayを、classifyメソッドに渡すことで、予測値のArrayを得ることができます(84行目)。予測値は、あるlabelと、そのlabelに対する所属の確信度を表すscoreのペアで表されています。
- 結果の出力
結果出力、5. で得たArrayを参照することで予測値を見ることができます。 サンプルでは、「確からしさの値」を表すscoreが最大であるlabel(姓)を判断し(86行目)、名と組み合わせて表示しています。
サンプルプログラムの実行¶
- Jubatus Serverでの作業
jubaclassifierを起動します。
$ jubaclassifier --configpath shogun.json
- Jubatus Clientでの作業
サンプルクライアントプログラムを実行します。
$ ruby shogun.rb